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16.ボールの性能の巻

 今年のウインブルドンもいよいよ大詰め。ウエアは白を基調とすることを徹底しているこの大会で、ボールの色が白から黄色に変わったのは1986年のことでした。今回はボールの性能についてレポートします。

●「メルトン」ってな〜に?
 ボールのいちばん外側のフエルトを「メルトン」といいます。このメルトンには、ヨーロッパタイプとアメリカタイプがあり、この2つを比較すると、ヨーロッパタイプのほうがアメリカタイプよりも少々厚くて重いのですが、その分“もち”がいいといわれています。ボールが3個2ドルで買えるアメリカでは、ボールは一日使えば捨てる消耗品ですが、10ドル以上もするヨーロッパでは、一般プレーヤーは何日も繰り返して使います。ボールの“寿命”に対する考え方の違いが、メルトンの耐久性となってあらわれていると考えられます。
 なお日本製の国際テニス連盟(ITF)公認球はすべて耐久性に優れているヨーロッパタイプのメルトンを使用しています。

●フレンチオープンのボールは重い?
 フレンチオープンの解説で沢松奈生子さんが、「フレンチオープンのボールは少し重い」とコメントしていました。もちろん国際公式戦で使ってよいボールの重さは、ITFのルールで、56.7〜58.5gと定められています。フレンチオープンで使用しているボールがヨーロッパメルトンを使っているということで、ボールが比較的重いのに加え、メルトンが厚い分、水分や細かい砂などを吸い込みやすく、特にローランギャロスのようなクレーコートでプレーをすると、選手は「重い」という印象を持つのかもしれません。

●ボールの弾みにも決まりがある
 ところで、ITFでは公認球の条件として、重さの他に、大きさ、バウンド(254cm の高さからコンクリートの床に落下させたときに 134.62〜147.32cm の高さで弾まなければならない)などを定めています。これによって選手はどこでも同じコンディションでプレーできるというわけです。ただし高地など気圧の低いところではボールの弾みが大きくなるので、ITFでは海抜 1,219m以上の場所での試合については、もう少し弾みが小さいボール(121.92〜134.62cm)の使用も認めています。
 とはいえこれらの弾みはすべてコンクリートの床上での話。テニスコートのサーフェスで比較すると、コンクリートの弾みがいちばん大きく、アスファルト、クレー、ケミカル(インドア用コート)、芝の順で弾まなくなります。
ボールの試験は気温20℃、湿度60%、1気圧の条件で行われることが定められている。

 

 

ミニ豆知識
レットがなくなる?
 これまでサービスがネットに触れて相手のサービスコート内に入った場合、もう一度サービスをすることができました。しかし、これでは試合時間が長くなるということで、フォルトでなければそのままプレーを続けようというのが、今年からITFが世界各国で実験的に始めた「ノーレット方式」です。日本テニス協会では、開催要項に明記すれば、ノーレット方式でトーナメントを行うことができるとして、トーナメント主催者に勧めていますが、正式ルールとするかどうかは2001年以降にITFが決めることになっています。
 なおレット方式の場合も、セルフジャッジの試合では、レットをコールできるのはレシーブサイドのプレーヤーのみ。サーバーのペアがレットをコールすると相手が認めなければポイントを失います。



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