毎週激戦が続くATPツアー、WTAツアーを転戦している選手はいったいどんな練習をしているのでしょうか。今回は気になるプロの練習についてご紹介します。
●グランドスラムに焦点を合わせて 練習スケジュールをたてる グランドスラムに焦点を合わせて 練習スケジュールをたてる
トップ選手にとって、ツアーの山場は、全豪オープン、全仏オープン、全英オープン、全米オープンの4つのグランドスラム大会です。獲得できるポイント数が高いので、そこでよい戦績を残すことがランキングを上げることに大きくかかわってくるからです。また、ツアー自体、グランドスラム大会を軸に、地域やコートサーフェスに配慮してスケジュールが組まれているので、選手にとっては、グランドスラム大会を核にした転戦スケジュールを立てることが効率的ともいえます。
そこでプロの練習計画は、当然このグランドスラム大会をにらんだものになります。自分のホームグラウンドを離れて転戦している間は、基本的にはトーナメント会場、あるいはトーナメントが用意した練習コートで、時間や使えるボール数に制約のある練習になります。また試合が続くと、精神的にも体力的にもかなり消耗し、さらに試合を通して自分の課題も見つかります。そこで、どこでオフを取り、リフレッシュするか、体力づくりや基本的な練習をいつ行っていくか計画を立てることが、非常に重要になってきます。
●体力づくりの長距離ランニングと 実戦にそなえる短距離ダッシュ
7年間にわたってツアー生活をしてきた、当社契約の神尾 米プロの場合は、全英オープンの後にオフを作り、次の転戦が始まるまでの約1ヵ月間を体力づくりのトレーニングに当てていました。
体力づくりの基本は、走りこみです。神尾プロはオフに入ると最初は1時間程度の長距離ランニングを取り入れたトレーニングを行っていました。試合まで2週間程度になると、ダッシュ系の短距離走を組み込んでいきます。試合まで日数がある時の練習時間は、筋力トレーニング、ストレッチも入れると一日6時間ですが、そのうちオンコート練習は4時間ぐらい。試合が近づくと共に、実践主体の練習へと移行します。
ところでオンコートの練習ですが、プロの場合は1面のコートに入る人数も少なく、使用するボール数も多いので、一般プレーヤーが同じ時間コートにたった場合よりも、非常に内容の濃いものになります。
5年間デビスカップ監督を務めた、当社契約の福井烈プロは、「1面に3人で入る練習が多い」と言います。練習の主体となる選手が、はやいスピードに対応しながら試合を想定し、1面のコートを全部コントロールできるようにするためです。
●練習中に意識する3ヶ条
一般のテニススクールでは、コーチはボールを出しながら常に声を出してアドバイスをしています。しかし、プロの場合は、コーチは練習の間はじっと見ているだけで、選手が休憩をとった時や、練習が終わった時にアドバイスをします。プロ選手の場合は、コーチに細かな指示を求めているわけではありません。もちろんヒントをもらうことはありますが、目的にあった練習をしているのかどうか、見てもらうことで安心できるという部分も大きいのです。
福井プロは、練習中に選手が次の3つのことができているかどうか、気をつけています。
@ コートのどの場所にどんな回転のどんなスピードの ボールを出すのがベストなショットか考えてプレーする。
Aチャンスボールをしっかり決める。
Bコースの変更を自在にできる。
試合に勝つ大きな力となるのは、正しい状況判断です。この3つは試合中にそれができるようになる力を養うものです。一般のプレーヤーにとっても、練習中にこうした意識を持つことはたいへん有意義です。
最後に調子が悪い時の克服法を神尾プロに聞きました。「試合で調子の悪いショットがあれば、できるだけその日のうちに直します。翌日まで持ち越さないことがポイントです」
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