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35.プレースタイルは変わるの巻

 パワーテニス時代と言われる昨今、プロのプレーはどのように変わってきたのでしょうか? 今回は、プロのプレースタイルの変遷を探ってみました。

ドライブボレーはもはや 攻撃のための必須アイテム
 フラットサービスを武器にしたレンショウ兄弟が活躍するようになった18世紀後半ごろに現在のスピードテニスは黎明期を迎えました。そして、早いサーブを打てる選手は、返ってくるチャンスボールを確実に決めるため、ネットにつめてポイントを取るようになります。すると次は、ネットプレーを封じるためにロブが生み出されました。こうしてテニスのゲームは、どんどんおもしろさを加え、見る側にとってもより興味深いものとなって、発展してきたのです。
  さて、ここ2〜3年で、プロの試合で大きく変わってきたもののひとつにボレーがあります。以前はまず見ることのなかったトップスピンボレーが、一般的に使われるようになったのです。なぜ、プロがトップスピンボレーを使うようになったか、その理由を当社契約プロの中島康博プロはこのように語ります。  
  「トップスピンボレーは、コートの中間地点からポイントを取るためのショットです。中間地点からのボールを面をつくって返すだけでは、相手にコースを読まれやすい。最近では、以前と比べると、コートサーフェスもおそくする傾向にあり、コースを読まれないことに加え、速いボールを打たなければ、相手に拾われてしまい、簡単に決めることができなくなってきているのです」
  トップスピンボレーはスイングで打つため、コースを読まれることもなく、またスピードもあるので、ほしいポイントで勝負に出ようとするときには、非常に有効なショットになります。もちろん、トップスピンボレーが登場しはじめた理由のひとつに、ラケットの進化もあります。それまでポイントよりもミスにつながると思われていたトップスピンボレーが、最近のラケットでは、高い確率で成功するショットになったのです。
  現在では、トップスピンボレーは、ゲームを組み立てる戦略に必要不可欠な技術として、ジュニアや、上級の一般プレーヤーで、練習メニューに加わっています。

バックハンドは片手打ちの時代に?
 プロの試合でもうひとつの変化が、バックハンドです。本来両手打ちの選手でも、片手で打つことが多くなりました。当社契約の田村伸也プロも、5年前にグランドスラム大会のジュニア競技を見て、海外のジュニアがバックハンドを両手から片手に変えていることを報告しています。
  まだテニスラケットが400グラムもあった時代、両手打ちは非力なジュニアに向いたプレースタイルだと考えられていました。また、アイスホッケーなどを日常的に楽しむ欧米の子どもたちにとっては、両手で打つことは自然な動作であったからとも言えます。その両手打ちが片手打ちに変わってきたのは、試合に勝つ為に多様なプレーが求められるようになってきたことにつきるでしょう。ベースラインでハードヒットするには有効だった両手打ちですが、試合内容が高度になるにつれ、それだけでは効果的な武器にならなくなったのです。

多様なショットが求められる時代
 パワーテニスの時代といっても、サービスエースでポイントが決まる一部の男子の試合は別として、特に女子の試合では、ポイントを決めるまでの組み立てがより重要になっています。ウイリアムズ姉妹のようなパワーヒッターですら、決してそれだけに頼るのではなく、片手打ちのバックハンドも取り混ぜることで、ラリーのペースを変えたり、相手がいつも同じ打点でボールを打つことができないように配球を考えているのです。そのため、現在では、両手打ちの選手にとっても、片手でも打てることが不可欠になっています。
  両手打ちは片手打ちに比べるとボールに近づかなければならず、また特に長時間の試合になると、疲労感が大きいという短所もあります。
  しかし、低年齢の子どもたちや、年配の方々といった非力な方には、チャンスにハードヒットできる両手打ちはぜひ身につけておきたい技術です。これからは、グランドストロークも攻めるストローク、守るストロークを明確にしなければなりません。


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