相次ぐテニスクラブ(会員制)の閉鎖、一方ではテニススクール(非会員制)が増設活況を呈している。日本のテニス事情は変わったのか?今回はスクール事情に詳しい(財)日本テニス協会普及指導本部長中嶋康博プロにお話しを伺いました。
●現代人にフィットしたインドアスク―ル
ここ数年、テニスクラブ(会員制)の経営は悪くなる一方と言われています。(社)日本テニス事業協会の調査では、平成12年までの8年間に146の事業所が閉鎖されたと報告されています。ところが、テニススクールは平成2年から平成8年の6年間だけでも、全国で150箇所新設され、特にインドアの増設には目を見張るものがあります。バブル期に1300万とも言われたテニス人口、一時は700万人台と減少の一途をたどりますが、スクールの活況とともに増加の傾向を示しています。最近のスクール事情を中嶋プロに伺いました。
「僕らがテニスを始めたころは、テニスは女・子供がやるスポーツという風潮でした。いまは、子供のころから家に閉じこもっての生活が多くなり、社会人となってからも日常的に運動不足が続いています。一方、昨今の健康志向で運動に対する関心は高く、テニスなら出来るかもということになる。(1)好きな時間に予約を入れて、(2)天候に左右されず(3)日焼けを気にせず(4)冷暖房完備の快適環境で、(5)ボールを用意したりコートを取ったりする煩わしさも無く、(6)会社帰りや学校帰りに手軽にテニスが出来る。まさに、現代人のライフスタイルに合っているんです。ところがそうした現代人にとって、実はテニスはハードなんです。スクールも、90分は長いという。スクールでは、こうしたニーズにも応えて、体力に応じたカリキュラムを組んでいます。スクールはコーチというリーダーの下、上手い下手の区別無く公平に教えてくれるので、全くの初心者でも入りやすくなっているんです。それが、スクール人口を増加させているんだと思いますね」
●「超初心者クラス」に新たな現象が出現
4年前、「どんなに運動が苦手なヒトでも、テニスを楽しいと感じてもらいたい」と、超初心者クラスを開設した中嶋プロ。4年経った今、クラスはどんな様子ですか?
「超初心者クラスは、コート1面の1/4でコートをつくります。ミニネットが張られ、通常よりやわらかいボールを使って、レッスンが行われるんですが、狭いスペースでも充分な運動量が得られ、運動初心者にとって大変好評です。最近の現象としては、団塊世代の人たちの参加です。彼らはもう、孫ができたおじいちゃんやおばあちゃんになって来ています。そうした人たちが孫に刺激されて、一緒にテニスをしに来るんです。軽いラケット、やわらかいボールはボールも捉えやすいし、衝撃も少ない。汗をかいて新陳代謝を活発にするから、カラダに良い。老化防止にもつながるというわけです。まさに、テニススクールは男女を問わず世代のルツボです」
●キッズテニスが花盛り
テニス人口が戻ってきたとは言え、大学の廃部問題等、若い人たちのテニス離れが伝えられています。スクールの中ではどんな状況ですか?
「昔と違って、テニスの楽しみ方が変って来たんです。体育会系が減っている反面、サークルテニスはドンドン増えている。最近ではインターネットで仲間を募ったりもしていますね。スクールでは、キッズテニスが盛んです。メーカー各社もキャラクターをあしらったキッズ用のラケット、ボール、シューズを出して需要を増やしています。ブリヂストンでも、最近ミッキーマウスの可愛いラケットが発売されて、子供達の人気を集めています。子供達の層も、4歳から中学生と非常に厚くなって来ています。これは全国的な傾向です。スクールによっては満員で入れない、キャンセル待ち状態になっているところも有るんです。この子供達が大きくなって、また次の世代にテニスの楽しさを伝えてくれると確信しています」
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