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49.テニスボールのゴム性能の巻

コート上では、思いきり打たれたり、スピンをかけらりたりと、酷使されるテニスボール。実は、使用環境によって、その性能が大きく左右されるデリケートなものなのです。

● 使用する時間帯によって、リバウンドが変わる
ITF(国際テニス連盟)では、公認球の条件として254cmの高さからコンクリートの床に落下させたときに、134.62〜147.32cmの高さで弾まなければならない、としています。ただし、これは気温20℃、湿度60%、1気圧という条件のもとでの規格。ハードコートでは弾み、芝では弾まないなど、サーフェスによってバウンドの高さが変るのはもちろんですが、同じ種類のコートでも、プレイする気温によって弾みが大きく変ってきます。
冬場のアウトコートでのプレイや、冷え込んだ夜に車のトランクに入れっぱなしだったボールを翌朝使用すると、ボールが飛ばない、弾まない、といった現象が生じます。
一般的なボールのデータを計測すると、20℃で144cm弾んだものが、気温0℃の場合は105cmとなり、およそ40cmもの差が生じます。これは、ボールの中心部(コア)がゴムでできているために起こる現象で、特に0℃になると弾みの数値が大きく落ち込みます。
プレイするときは、適正なバウンドを得るために、できるだけ10〜30℃で保管されたボールを使うようにしましょう。

● 磨り減ったボールは、上達の妨げになる
開缶されたボールは、打つたびに"ヘタって"いきます。この"ヘタリ"は、打撃のショックで、コアのゴムの中に混入されている化学薬品と、ゴム自体の結合部分が剥離し、スウィングのエネルギーが上手く伝わらなくなるために起こる現象です。
ただし、この"ヘタリ"より早くダメージを受けるのはボールの表面を覆うフェルトで、メルトンと呼ばれる部分。このメルトンは、気流を調整し、飛行を安定させる役割を持っていて、磨り減ってしまうとボールがブレて飛んだり、スピンがかからず、コントロールできないために、ただスウィングした方向に飛んで行ってしまいます。
メルトン自体は、綿を縦糸に、ウールとナイロンを横糸にして編みこんだ織物を、主に横糸を中心に起毛し、ローラーをかけてしごき、キューティクルを持つウールとナイロンを絡み合わせて作られています。編み込みの段階で、ウールを多くすればソフトになりますが、強度がないので磨耗が早くなり、ナイロンを多くすると強度は高くなりますが、ソフト感が無くなってしまいます。
人工芝ではケバ立たず、ハードコートでは磨耗を少なくするために、その混合比率がうまく調整されています。生地の編目が判るような、磨耗したボールを使っていると、誤ったスウィングを習得してしまう恐れがありますので、注意しましょう。

●0℃の壁を破る、高性能ボールの研究・開発
コアゴムは、天然ゴムに薬品を入れた配合ゴムで出来ています。
温度変化によるバウンドの変動と、打撃によるゴムのへたりを抑えるために、ブリヂストンスポーツでは、コアの配合ゴムに強度と硬さを持たせるミクロの新素材を混入し、20℃で144cm、0℃でも115cmのバウンドを得られるよう、温度変化に対応できる、耐久性に優れたゴムを開発しました。
季節や打撃回数にあまり影響されずに、プレーヤーが快適なテニスを楽しめるようボールの研究・開発は進められています。

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