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7.振動吸収設計の巻

 テニスプレーヤーにとって永遠のテーマともいえるのが、テニスエルボーにならない方法。今回はテニスエルボーを防ぐための"振動吸収設計"についてレポートします。

腕が受ける衝撃は100kg
 テニスでラリーをしているとき一度のショットで腕にどのくらいの力が加わるか、ご存じですか? 答えは約100kg。もちろん、相手の打つボールによっても異なりますが、これが平均的な数字です。ちなみに、人が歩くときひざには体重の約1.3倍の力が加わりますから、ラリーをしている間は、約70kgの人が歩いている時にひざが受けるのと同じくらいの負担を、腕が受けているということになるのです。
 手首が受けた衝撃はひじに伝わり、場合によってはテニスエルボーを引き起こす原因にもなります。

テニスエルボーはなぜ起こる?
「テニスエルボー」とは、ひじを支える筋肉の炎症です。筋肉が耐えられる限度を超えた負荷を長期にわたって受けることで、ひじの痛みとなって現われます。いってみれば、テニスエルボーはひじからのSOSです。
 ところで、テニスをしているときに腕が受ける負荷には、衝撃と振動があります。衝撃とはボールが当たった瞬間にかかる負荷です。一方振動とは、衝撃後の余韻で、その後0.2秒程度続きます。負荷としては衝撃のほうが大きいのですが、テニスエルボーは、衝撃よりも振動の方が影響すると考えられています。

ラケットと振動の関係
 ラケットの振動吸収性が大きな関心を呼ぶようになったのは、厚ラケが普及したことにも関係しています。厚ラケの魅力はその反発性の高さですが、ボールを打ったときの音が、普通の厚さのラケットに比べてキンキンと高く響いたため、ひじへの影響が気になるようになったのです。
 ボールを打つことによって起こる振動は、ガットを通してフレームに伝わり、グリップを通じて人の身体に伝わります。衝撃・振動を吸収する素材の使用だけでなく、ガットの緩みをなくしたり、ラケット面を安定させて振動を抑えるといった振動吸収設計を採用することで、振動をやわらげることができます。それが結果的に、身体に影響する振動を少なくすることにつながります。

究極の振動吸収ラケットとは?
 重いラケットと軽いラケットを比べると、身体に負担をかけないのは、もちろん軽いラケットです。かつて一般的だった木製のラケットは素材としては振動吸収性が高かったにもかかわらず、ラケットの重量が重いことで、身体に負担をかけていました。振動吸収性ということだけを考えれば、理想的な素材はスポンジのようなクッション性をもったものです。とはいえ、こうした素材では振動が吸収される分、反発力が失われるので、ボールを飛ばすというラケット本来の機能は失われることになります。
 振動吸収性と反発力は相反するものなので、どちらも満足させるオールマイティなラケットの開発が、今後のテーマのひとつになるでしょう。当社では、素材の研究や生体工学に基づいた設計によって、プレーヤーが本当に満足できる究極のラケットづくりに、積極的に取り組んでいます。


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